毛皮品質判定基準

水野株式会社では、毛皮原料の品質について独自の基準を設け、ロシアンセーブル・チンチラ・リンクス・リンクスキャット・ミンクの5素材で作られた日本製の製品のみ判定し、
上位2ランクの製品には当社のオリジナルラベルを添付し、品質保証と致します。 






【毛皮品質判定基準内容】

S [Best Quality/最高品質]
 Silky+ (刺毛の毛質がとてもシルキーで欠点がない)
 Full Density (綿毛の毛量が十分にあり、しかも健康な毛質である)
 Good Color (綺麗な色である)
  注)チンチラは刺毛が退化して綿毛と一体化しているので、刺毛・綿毛の区別による判定ではない。以下の等級についても同様。

A [Better Quality/優良品質]
 Silky (刺毛の毛質がシルキーである)
 Better Density (綿毛の毛量があり、しかも健康な毛質である)
 Good Color (綺麗な色である)

N [Normal Quality/良質]
 Normal (刺毛の毛質はシルキーだが、少しだけ弱いか太くて硬い)
 Normal Density (綿毛の毛量があるが、普通の毛質である)
 Good Color (綺麗な色である)
  注)上記以外に、刺毛はSかAで綿毛がNのもの、刺毛がNで綿毛がSかAのものもこの等級に含まれる。

N- [Inferior Quality/低品質]
 Weak (刺毛が弱い)
 Coarse (刺毛が硬い)
 Flat (綿毛の毛量が少ない)
 Woolly (綿毛がありすぎてモソモソして不健康な毛質である)
 Off Color (色が綺麗でない)
  注)一部分がS、A、NであってもN-の毛質を持っていればこの等級に含まれる。

B [Damaged/傷あり]
 Bites (咬み傷)
 Mat (毛の絡み)
 Stain (部分的な変色)
  これらの欠点を含む製品は全てBの等級となる。


◆Colorについて
 毛皮の濃淡については、基本的に等級とは関係ない。
 綺麗かそうでないかはClarity(透明性)による。
 すなわち不自然な赤味(褐色)の強い場合には、綺麗とは表現せずOff Color(色が綺麗でない)とする。

◆縫製について
 基本的に製品は全て問題なく作られていることが前提であるので、S・A・Nのものに縫製上問題のあるものはない。
 作り方が悪いことにより欠点が出たものは、N-あるいはBにのみ含まれる。

◆品質ごとの発生率
 どのようにうまく原料を仕入れても、オークション会社のロットの組み方と、当社での判断基準が異なる為に、
 良いもののみを作れることはあり得ない。
 依って5種類の品質が出現してしまう。毎回一律ではないが、下記のような発生率が多い。

 S 2~5%
 A 15~25%
 N 30~50%
 N- 8~15%
 B 2~7%

◆尾および毛皮の本体部分を使用した後に残った原料で作った製品について
 毛皮は、動物の命がかかった素材ですので、全てを使いきることを毛皮屋は心掛けています。
 依って、尾のみを使って作った製品や、腹の部分で作った製品や、細かく切れたものをつなぎ合わせて作った製品等が出来上がり、市場で売られています。
 ただし、これらは毛皮の良い所を使って作った製品よりは品質的に劣るものが大半となります。

 尾 ⇒ 動物にとってバランスをとったり、安全を確認する重要な部位なので、色々な物に触れる為、毛質が硬くなることが多く、背中部分より品質は劣る。
 尾についての品質分けは、オークションで行っていないので、「SAGAの尾」とかはあり得ない。

 腹 ⇒ 大多数の動物は腹の毛の方が背中よりまばらで、しかも毛が短い。(例外:ネコ科の動物)
 依って、背中で作られたものよりフラットで、しかも毛の向きも一定ではない製品になり易い。

 ピース ⇒ 背中の良い所を使った残りの部分は、腹を取ると小さいパーツになる場合が多いので、細かい物を縫い合わせた製品になる。
 その細かいパーツの毛質を一定にして製品を作ることは非常に難しいので、毛質や毛の向きがバラバラになった製品が多くみられる。

 上記の理由で、尾および腹そして細かいパーツを使って作った製品は、当社のS・A・Nの等級には当てはまりません。

◆染色したもの
 染色をしたからといってそのことで等級が悪くなることはありませんが、染色の工程において熱や薬品により毛質が劣化する場合があります。
 その時には、染色された物の状態により等級を判定します。
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